お子さんが突然、学校や会社を辞めて部屋に引きこもって出て来なくなってしまったとしたら、親御さんがどれほど心を痛めるか、うちの息子が引きこもった時のことを思い出せばとても良く分かります。
うちの息子の引きこもりは、職場の上司からの執拗なパワハラによるうつ病が原因したが、最近はうつ病が原因の引きこもりの方は少ないように思います。
小学生の不登校の場合は、ADHDなどの発達障害が原因で集団生活になじめないとか、精神的、肉体的なイジメが原因の場合が多いのですが、青年期以降の引きこもりの場合は、本人にも原因が分からない場合が多いのです。
ただ何となく大学に行ってみたが、人とコミュニケーションをとるのが苦手で、友達もできないし、学校に行ってもつまらないから中退した。
アルバイトで生計をたてるほど働きたくは無いので、お金が無いから実家に戻った。
親から昼間にプラプラしていると世間体が悪いと言われたから腹が立って部屋に引きこもっているけど、親から貰っているお小遣いで夜にコンビニに行くことはできます。
小学生の不登校と比べると、青年期以降の引きこもりは、何となく嫌なことがたくさん集まって出口が詰まってしまったような状態なのですが、「これが原因です。ここを改善しましょう」と言えるものがないのです。
もしかしたら本人にも「これです!」という決め手の原因は無いのではないでしょうか。例えるなら、携帯電話のバッテリーが切れたので充電している期間なのです。
引きこもった子どもの心理カウンセリングは、本人が部屋から出てくれなければ難しいので、お母さまに対処法をお伝えしながら行うことになるので長期化します。
私の個人的な意見ですが「引きこもりも悪くない」と思っています。確かに子どもが中年になるまで働かないで家に引きこもっていたら、経済的に苦しくなるし、子どもの老後も心配です。
ですが引きこもりは、世間に何も迷惑をかけません。隣人や職場の人とトラブルになって傷害事件を起こしたり、物欲が無いので窃盗事件を起こすことも有りません。
昔なら修行僧のように俗世間との縁を切って山にこもって修行していたものを、現代版では「パソコンと対話しながら自分の人生や将来に対してじっくり考えている」と置き換えたらどうでしょうか。
少し時間はかかるかも知れませんが、引きこもりはけっして悪いものではありません。お子さんは必ず自分で人生の答えを見つけてきます。
「お母さん、こんなのやってみたいんだけど、どうかな?」と言うまでは、あれこれ口を出さずにお子さんを信じて待っていてあげてください。