人は人生において様々な経験をします。人生は初めから成功することは少なくて、むしろ失敗の連続です。人はその失敗の経験から、次は失敗しないように慎重になれよと脳が記憶していくうちにネガティブシンキングに偏っていきます。
初恋の女の子を学級委員長の男の子にとられた男の子は、「僕よりも学級委員長の方が頭が良いからあの子をとられてしまった。学級委員長のお父さんは会社の偉い人らしい。僕のお父さんが有名大学出身のエリートだったら、僕の家がお金持ちだったらあの子をとられなかったのに」と、自分の出生まで持ち出して現在の自分を悲観します。
悲観主義の人は失恋の経験を引きずって成人するので、お付き合いしたいと思う女性がいても「こんな僕と付き合ってくれる筈がない。もし告白しても実はすでに付き合っている人が居るのではないか?大失恋するくらいなら傷付きたくないから告白なんてしないで黙っていよう」と、昔のネガティブな感情が邪魔をして告白することが出来ません。きっと上手く行く筈がないと将来の自分まで悲観してしまうのです。
子どものころは、こんな家に生まれたくなかった。学生の頃は、勉強が出来ないのは親のせいだ。大学受験は、出題に恵まれなかったから志望校に落ちてしまった。どうして自分ばっかりこんなに不幸な目に遭うのだ。
大学のサークルの友達が合コンでかわいい子を紹介してくれるって言っているけど、自分のような人間にかわいい子を紹介してくれる筈が無い。第一、友達のことが信用できないし、もし本当にかわいい子だったとしても、自分となんて付き合ってくれる筈が無い。
最初は運が悪いのは全部自分のせいだと考えますが、人生なんて努力をしても無駄だと思うと、やがては社会のせい、政治のせい、国家のせいと、自分から自分以外に責任転嫁していきます。
これが楽観主義の人だとどうなるでしょうか。楽観主義の人は全てにおいてポジティブシンキングです。初恋の人と同じクラスになれてラッキーだ。あの子は学級委員長が好きだって聞いたから次の学期は自分が学級委員長に立候補しよう。頭が良い男の子の方が女の子にモテるのかな?だったら僕も勉強しよう。
大学のサークルの友達が女の子を紹介してくれるって言っていたけど、嬉しいな。あの友達が紹介してくれるくらいだから、明るくてかわいい子なんだろうなと、お付き合い出来るのを前提に、現在の自分を楽観的に考えます。
楽観主義の人は、大学の友達のことを良い人に違いないと信頼しているので、友達側としてもきちんとした女の子を紹介してあげようと考えます。楽観主義の人は彼女と一緒に楽しい大学生活を送れると、将来の自分も楽観的に考えています。
ただ、残念ながら楽観主義者:悲観主義者の割合は、3:7と言われています。
悲観主義も楽観主義も生まれ持った性格の様に考えられがちですが、そうではありません。数々の失敗経験から次は失敗しないようにと考えて、失敗を防ぐためにすべての物事をネガティブに考えたり、家族や友達からあなたはネガティブだからと言われ続けた結果、増々ネガティブな考え癖が付いていくのです。
楽観主義の人は、物事に対して感謝癖や幸せ癖が有ります。大人になってからでも考え癖を変えることで、今、ネガティブシンキングの人でもポジティブシンキングに変えることが出来ます。楽観主義の人の方が、生きていてストレスも溜まらず、ずっと楽に生きていけるのがわかりますね。