思春期の頃にクラスメイトの好きな男子の前に出るとすごく恥ずかしくて、頬から耳まで顔が真っ赤になることがありました。その男の子のことは受験や進学などで自然に忘れてしまったのですが、自分が赤面症だったのは覚えています。
赤面症は、通常なら成長期には症状が気にならなくなるものです。ですが、症状が大人になっても改善されずにひどくなると対人恐怖症になってしまう人がいます。仕事中に赤面症とともに大量の汗が出る、手が震えるなどの症状が出るようでしたら注意してください。
私が赤面症だった理由を考えてみると、母親に育てられずに祖母に育てられたため、友達とのコミュニケーションの取り方が下手だったというのが点が考えられます。
「人との距離の取り方」は、小さいころに母親から愛情を注いでもらったお子さんですと、成長過程の母子の会話の中から自然に習得できるものです。
私はこの「人との距離の取り方」がとても下手でした。人懐こくて、大人と話をするのが楽しくて、かまってくれる人にしつこく話しかけてしまう困った子どもでした。
現代なら幼稚園児でも注意されている「知らない人に話しかけられた時」の対処法を知らなかったので「道を教えて欲しい、困っている」のが、露出魔のおじさんだったとしても、気が付かずに道を教えてしまったりしました。
中学生になって少し成長して、近所の人や先生、先輩への挨拶がそれぞれ違うのを理解できるようになり、挨拶から「踏み込んではいけない距離」の取り方が分かるようになりました。
思春期の頃は劣等感が人間を成長させてくれる時期なので、友達とのコミュニケーションや授業、部活動の中で、人から注目されることでおこる赤面症は克服されていくことがほとんどです。
しかし、赤面症の症状がすすんで対人恐怖症になってしまう人もいます。対人恐怖症になるとクラスメイト全員から注目されて、ジロジロ見られているように感じ、極度の緊張状態になります。
対人恐怖症の人は劣等感が強い場合が多く、「自分は劣っている」からクラスメイトから自分が攻撃されていると感じています。そしてそのクラスメイトに対して心の底では「自分の方が勝っている」ので敵意を感じているのです。
もし、職場での上司と部下の関係の中で対人恐怖症の症状がみられる場合は、心療内科での治療が必要になります。