まだ心理学を学ぶ前の事ですが、私も産後うつにかかった事があります。産後うつが怖いのは、いつから始まって、いつ治ったのかの自覚が無い事です。
暗くて長い長いトンネルを歩いているようで、いつになったら出口が見えるのか判らないような感じでした。
病気には、たぶん夫が先に気が付いたのだと思います。
覚えているのは、ソファに座った状態から動けなくなって、ぼーっと天井を見たまま何も考えることが出来なくて、何かとってもダルくて、開いたままの目から涙がボロボロ落ちていた。
その頃には、シャワーの水滴が落ちる音が人の話し声に聞こえました。それが背後の壁から聞こえて来る。嫌だな。でもなぜか動けない。
夫が帰宅したら、真っ暗な部屋のソファに私が座っていて様子がおかしいと思ったようです。
今、考えれば産後うつに結びつく要素はいくつも有りました。
出産後4か月で引っ越しをしてママ友と離れてしまい、出産したばかりで友達が周りに居なかったり、階下の方から夜にお風呂に入っている音がするとクレームが来たことによるノイローゼ。
引っ越しの準備から片付け、3時間おきの授乳による睡眠不足、難産で出産後半年たっても体が痛くて立つのも辛かったのに実家に頼ることが出来ずワンオペ育児だった、などです。
産後うつ真っ最中の時は、何も考える事が出来なかったので自分がうつだとは気付きませんでした。
外に出られないので新しいママ友も出来なくて、誰とも話をしない日が何日も続き、体がダルくて「もう、子育てなんてやめちゃおうかな」っと独り言をつぶやいていました。
夜泣きがひどくて寝不足の日々。
「なんでうちの子だけおっぱいを飲んでもずっと泣いてるの!」
腹が立って仕方が無くて、育児がとても面倒でした。
でも授乳と授乳の間の時間があいてきて、夫に育児を交代して貰えるようになると、美容院に行ったり、少しづつ自分の時間が持てるようになりました。
何かを考える時間が出来て、やっと夫に「父親として育児についてどうして欲しいのか」を伝える事が出来ました。
こうして徐々に産後うつが解消されていったのだと思います。
女性は、長い妊娠期間があるので少しずつお母さんになる為の心の準備が出来るけど、男性は生まれたとたんに「お父さん」になるので何をして良いのか解らないのかも知れません。
「うちのパパは何もしてくれない!!」と不満を爆発させる前に、「会社の帰りに牛乳買って来て!」とか、週末に「紙オムツと離乳食を買って来て!」「ママ友ランチに行くから育児交代してー」とか、どんどんお願いしてみて下さい。
子供を育てる前に「頼りになるパパ」を育てるのです。
そしてやってくれたことに対して、必ず愛情を込めて感謝の言葉をかけてあげて下さいね。