熟年離婚はありなのか?

離婚のご相談はたまにしか有りませんが、希望されているのは圧倒的に女性側で、男性側が希望されるケースはまれです。女性側からすると、我慢に我慢を重ねてやっと学費の心配がなくなり、待ちに待った輝かしいその日が、子どもが高校を卒業する3月のようです。

離婚届を出した後の女性は、「空に羽ばたけるくらい心が軽くなった」と、皆さんおっしゃいます。束縛から解き放たれた開放感を言っているのだと思うのですが、離婚を経験したことが無い私は、女性の心の移り変わりは面白いものだなと思って聞いています。

一般的に体の関係を持つまでは、追いかけまわしているのは男性で、関係を持ってから結婚するまで離すまいと追いすがるのが女性ですから。

結婚生活には幾多の困難が押し寄せる物ですが、その困難を全部払い除けて老後まで仲睦まじく夫婦生活を継続させるのは、80%は女性側の努力なのではないでしょうか。

そもそも大恋愛で結婚したとしても、遺伝子学的に恋愛感情が続くのは男女ともに3年半程度です。

厚生労働省の「人口動態調査」によれば、初婚年齢は男女ともに30歳くらいと晩婚化していて、国立社会保障・人口問題研究所のまとめによると交際期間も4年半ほどです。約25年前に比べると結婚年齢は男女ともに3歳晩婚になり、交際期間は1年半伸びています。

残念ながら4年半交際すると、結婚生活が始まるころにはすでに愛は冷めているということです。では、なぜ結婚を決めたかというと「交際期間が長かったし、子どもが欲しかったから、もう最後(の相手)かと思った」という答えが返ってきます。

前々から子どもは絶対欲しいと思っていたので、結婚して直ぐに子どもをつくったけれども、子どもが生まれたとたんに育児で手一杯になって、ラブラブな新婚生活は何処へやら。いつの間にか子どもを育てるための共同生活者になっていて、夫婦生活はレスになっていた。

女性側の考えでは、昼間に育児で疲れているので夫に使う時間があったら寝ていたい。私と子どもを愛しているならレスでも夫は我慢できて当たり前。しかし他の女性には見向きもせず一心不乱に仕事に励んで、サービス残業は断って少しでも早く帰宅して育児を手伝い、家族の為に家を買い、出世して1円でも多く生活費を入れてくれることを望みます。

男性側の考えでは、しっかり者の妻に家庭を任せているので、妻には感謝しているけれど、残念ながら妻にはもう性的魅力を感じなくなってしまったので、会社の若い女の子と不倫をして、仕事をバリバリこなして軍資金を蓄え、不倫相手との生活を充実させたいと考えます。

男性側が不倫をしたのが原因で妻が離婚をしたい場合、男性が不倫相手と結婚しても3年半後には愛が冷めて、また妻の元に戻りたいと願うケースが多く有りますので、子どもが学校を卒業するまでの学費を計算する際に、念頭に置いておくと良いでしょう。

夫が不倫を卒業して家庭に戻ってきた場合、老後もほとんどの男性は妻に対して甲斐甲斐しく介護をして献身的に尽くします。しかし、妻は夫の介護をするくらいならお金は要らないから、人生の最後くらい自由になりたいと言って熟年離婚を選ぶようです。