大人になって見つかる女の子の発達障害

私には男女1人ずつの子どもがいますが、発達障害を持っているのは息子だけです。娘はとても素直で明るくて友達も多く、成績も良い子でしたので、発達障害は無いと思っています。

しかし近年、親ですら気が付かなかったような、何の問題もないと思っていた女の子が、社会人になってから発達障害と診断されるケースが急増しています。

大人になってから発達障害と分かるには理由があります。誤解されがちですが、決して社会人になってから発達障害になる訳ではありません。

もともと発達障害を持っていたのですが、学生の頃は忘れ物や遅刻の多い子として見落とされていたものが大人になって勤め先などで失敗を繰り返し、退職を余儀なくされるなどで生きづらさを感じ、精神的な不安状態で初めて診察を受けたから見つかるのです。

本人も発達障害に気が付かずに就職をして社会人になってはみたが、遅刻を繰り返したり、電話で話しながらメモを取ることができない、サービス残業など会社の中での当たり前のことに従うことができない。

上司から人前で叱られたことがショックで、通勤電車に乗ろうとするとなぜか涙が出る。

欠勤を繰り返すうちに、とうとう出勤することが困難になって、ようやく体内のエネルギーが切れていたことに気が付き、やっとの思いで心療内科を訪れて発達障害が見つかるケースがほとんどです。

比較的に女の子は、お母さんの言うことを聞いて素直に育つことが多いので、おとなしい子、手のかからない子が良い子として成長します。

女の子の発達障害によく見られるのは、ADHDの中でも忘れっぽいなどの不注意の傾向が強く出て、席に座っていられないなどの多動性の傾向は弱くなります。

もともとADHDは女の子よりも男の子に多くあらわれます。ADHDの男の子は授業中に出歩いたり、大声で話すなどの行為が目立つため、教師から常に叱られて育ちます。

女の子に発達障害があったとしても、提出物をよく忘れる子とか、先生の話が聞けない子ども、教科書を無くしてしまうような子は男の子の方が比較的多いので注目はそっちにいってしまい、学校ではあまり目立たないのです。

発達障害を持つ女の子は、大学卒業くらいまではお母さんの言われたとおりに生活をするので特にトラブルも起こりません。

良くないのは、うちの子はまだ子どもだからと母親が手をかけすぎてしまい、身の回りのことを自分ですることがないまま成人してしまうケースです。

もし母親が毎朝、娘を起こしに行かないと会社に間に合うように起きることが出来ない、社会人になっても自分のお弁当1つ作れないようでしたら、今すぐ母親の方が行動を改めなければなりません。

子どもがまだ小学生でしたら、玄関でお母さんが「ハンカチは持った?傘を持った?」と声をかけたとしても仕方がないのですが、注意のし過ぎや声掛けのし過ぎは過干渉です。子どもの成長を妨げてしまいます。

中校生になる頃までには自分で判断する力を身に着けさせた方が良いです。

大学生になって1人暮らしをさせてみたが、ずっと受験勉強で忙しかったのでお米のとぎ方が分からない。電球の交換の仕方が分からない。これは、母親の過保護が原因です。

自分はお嬢様育ちだから、人生で1度もトイレ掃除をしたことが無いのが自慢だとテレビでいっていた女性がいましいた。

結婚後に家事のすべてをメイドさんがやってくれるような生活がおくれるのは東南アジア諸国に赴任にでもならない限り無理な話です。

家事がまったくできなくて、結婚してはみたものの、ほどなくして離婚。

実家に戻ってきても世間体を気にして外に出ることができないなどで、引きこもりやうつ病を患うことが無いように、母親の子どもへの過干渉に気を付けていただきたいものです。