ADHDと愛着障害回避型

愛されたいと願い続けた子どもは愛されるのが怖い大人になる。

ADHDの子どもの中には、母親からしつけと称して叩かれるなどしたことから、母親には懐かず、祖父母の方に懐いているという話をよくお聞きします。

ADHDの子どもの子育ては大変です。ADHDの子どもは、「忘れっぽい」という特徴があり、お母さんが「ハンカチは持ったの?」と、毎日注意したとしても「忘れっぽい」のは治りません。

また、「空気が読めない」のですぐ友達とケンカになり、担任の先生から苦情の電話がかかって来て、「もう、ケンカはしません」と、約束したとしても直ぐにまたケンカを繰り返してしまいます。

毎週のように担任の先生から苦情の電話がかかって来ると、お母さんは恐縮して最初は謝罪を繰り返します。

「この子を何とか1人前に育てなければいけない」という思いから、しつけに厳しくなります。しかし、いくらしつけを厳しくしたところでADHDの子どもには逆効果で、ケンカを繰り返し、なかなか成長してくれません。

ADHDの子どもが愛着障害になるには理由がある

やがてお母さんは、自分の言うことを聞いてくれない子どもに苛立ち、担任の先生からの電話に苛立ち、学校にも育児にもストレスを感じる様になるのです。

いつもガミガミ怒ってばかりのお母さんと、泣きながら走って行くと何も言わずに抱っこしてくれる優しいおばあちゃんを安全基地とする子ども。

お母さんがいくら愛情を示しても一向に言うことを聞いてくれず、おばあちゃんにばかり懐く子どもに、やがて愛情を感じなくなっていきます。

愛着障害の回避型の特徴

愛着障害の回避型は、幼少期に母親との間に愛着の形成が希薄だった場合に表れます。

母親が夜勤の仕事に就いていて夜は祖母が面倒をみていたり、母親が長期の入院をしていたなど、子どものころに母親の愛を求めても応じてもらえず、我慢したり、放って置かれた子どもに見受けられます。

また、ADHDではなくても、親から虐待を受けた(しつけと称してよくぶたれた場合も含む)子どもにも多く見受けられます。

このような愛着障害回避型の子どもは、自分の気持ちを表現することをしません。「どうせ何を言っても無駄だから」と、子どものころに悟ってしまったのです。

愛着障害回避型の恋愛、結婚

愛着障害回避型の子どもが大人になっても、愛されることに慣れていないので、恋愛は上手く行きません。

基本、自分1人の時間を好むので、生涯独身でいることを望みます。

交際が始まっても、これでやっと幸せになれると思った頃に、急に相手から自分が愛されなくなることが怖くなって、自分から別れを告げて出て行ってしまう様な行動をとる。

交際期間が長くても結婚の話が出ると生活を支えることを重荷に感じてしまい、面倒なことになるくらいなら独身でいることを選ぶ。

結婚して子どもが出来てマイホームを買って安定した生活を手に入れたとたんに、同じ職場の同僚と不倫関係になり駆け落ちをする。

など、自ら幸せを回避する様な行動をとるのです。

これは、親からの愛を渇望する愛着障害の衝動的な欲求からくるもので、愛する人から見捨てられるのが怖いから自ら先に愛を手離してしまうのです。

愛着障害回避型を克服する方法

自分で愛着障害を克服する場合は、子どもの頃にやってみたかったことをやってみる。行ってみたかったところに行ってみる。などの方法がお勧めです。

愛着障害回避型の大人の場合は、今まで周りに信頼できる大人が居なかったことから、人を信用することが苦手です。

人そのものが苦手なので恋人、家庭や家族の中に安全基地を築くことは難しいかも知れません。

その場合の安全基地は、音楽などの趣味の集まりやアニメキャラクターなどの2次元の世界の中でも良いのです。

愛着障害回避型の人は、今までの人生で楽しいと思えることが少なかったのです。自分が楽しいと思える空間を見つけて、楽しいと思える時間を過ごすことから始めてみて下さい。

過去に縛られない、自分の人生をとりもどすことができます。