若いお母さんの中には、小学生のお子さんが、「もしかしたらうちの子は発達障害なのかも知れない」と悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
発達障害についてインターネットで検索をして、発達障害の子どもの特徴を調べた方もいらっしゃると思います。
インターネット上には、発達障害の子どもの特徴をチェックしてその数字を合計して診断する「ネット診断」があります。
なかにはネット診断の結果だけを見て、「うちの子は発達障害なんだ」と自分のお子さんの将来を悲観して学校教育をあきらめてしまう方がいます。
しかし、専門医でも診断が難しいのが発達障害です。できれば「ネット診断」だけで大切なお子さんの将来をあきらめないでいただきたいです。
小学校は出来る事と出来ないことを見分ける時期
学校教育についていえば、発達障害のすべてのお子さんに学習障害がある訳ではありません。
一言で発達障害と言っても、とても幅が広く、お子さんの成長過程で専門家の支援が必要な場合もあれば、行動面で少し出来ないことが多いけど、学習障害は無くて他のお友達と一緒に教育を受けられる場合がほとんどです。
例えば、小学校の低学年のADHDのお子さんの場合は、おしゃべりが大好きで授業中に先生のお話しを聴くことが出来ないかも知れません。
しかし見方を変えると、それは先生にお話ししたいことがあるから発言してしまっているのです。
待つことを覚える
今すぐ先生やお友達に話したいことがあるからおしゃべりしてしまっているだけで、学習障害がある訳ではありません。
小学校低学年のうちに、授業中はお話ししたいことがあっても先生のお話しを遮ってはいけないことをしっかりと教えて、それをお子さんが理解することが出来れば、授業の邪魔になるからと廊下に出されたり、特別教室に行く必要はありません。
小学校入学前を考えてみて下さい。つい先日まで幼稚園や保育園の園庭で遊ぶことが子どもの仕事だった筈なのに、小学校に入学したとたんに黙って椅子に座って学習をしなければいけないのです。
はたして幼稚園や保育園など異なった環境で生活していた、知らない子どもたち同士が1つの教室に集められて全員が黙って授業に集中出来るものでしょうか?
保育園で育った子どもなら給食を食べたら眠くなって当然です。お友達と喧嘩をして泣いたら先生が抱っこしてくれたのに、35人(35人学級は小1までそれ以上は40人学級)近い子どもを担任の先生が受け持つのです。
ADHDの子どもは空気を読むのが苦手です。意見の食い違いから友達と喧嘩してしまうこともあります。
自分の思い通りにならない時に奇声を上げる子どももいれば、泣き出す子どももいるかも知れません。ベテランの先生だったとしても子どもたちが一斉に騒ぎだしたら収集が付かなくなることもあるでしょう。
発達障害のある子どもはその特徴も様々で、自分の思ったことを先生の質問よりも先に発言して授業の進行を乱すこと、目立つことがカッコいいと思ってしまう子どももいます。
先生にとっては授業がやりづらいと思いますが、逆に考えればその子はしっかり授業を聴いていて授業をリードしているということです。
発達障害の子どもは白黒はっきりしていて、先生が個人名を出して「〇〇さん、黙って下さい」と叱ると、授業中はかたくなに黙り込んでしまうので避けたいものです。
眠気の原因
発達障害の子どもは、自分が興味を持った事柄に関しては貪欲な知識欲があるので、教科書に書いてある内容より、先に自分で調べて学習してしまっている子どもも多くいます。
発達障害の子どもは友達と一緒に活動したり人に合わせることが苦手です。特にADHDの子どもは学校に居るだけで友達との関係に気を使って膨大なエネルギーを消費するので、すでに知っている内容の授業や、自分の興味のない授業は全く耳に入らずに眠くなってしまうのです。
授業中は私語を慎むように注意されたADHDの子どもで、学習の遅れが出ていたら、発達障害のうちの学習障害が直接の原因ではなく、学校に居る間に膨大なエネルギーを使うために、授業中に眠くなって授業を聞いていられないのが原因かも知れません。
小学校低学年の内は、1日10時間を目安に睡眠時間をしっかり確保しましょう。